甲状腺疾患

玉田クリニックでは

  • 甲状腺ホルモンの測定が可能(採血から30分程度で結果がわかります)
  • 甲状腺の超音波検査が可能(甲状腺の腫れ、甲状腺腫瘍の検査ができます)

甲状腺の病気について

コ甲状腺

甲状腺は、首の前面で「のどぼとけ」のすぐ下にあり、羽をひろげたチョウのような形をしています。大きさは縦3~4cm厚さ1cm、重さ10~20gほどの小さな臓器のため、正常の方では、ほとんど触れません。そこでは、身体の新陳代謝を調整する、「甲状腺ホルモン(FT4, FT3)」という大切なホルモンを作っています。

甲状腺ホルモンは、細胞の新陳代謝を盛んにすることで、脂肪や糖分を燃焼してエネルギーをつくり出し、古くなった細胞を新しく作りかえる働きを持ちます。そのため、胎児の発育や小児期の成長には欠かせないホルモンであり、大人になってからも身体や精神の機能を維持する大切なホルモンになります。

甲状腺の病気には、甲状腺ホルモンの異常(ホルモンが多すぎる病気、少なすぎる病気)と、甲状腺の腫瘍(良性・悪性(癌))があります。このうち甲状腺ホルモン異常は、ホルモンの関与する病気(内分泌代謝疾患)の中で糖尿病に次いで多い病気です。

この甲状腺の病気は男性よりも女性に多く、20歳代から50歳代に多く発症します。また、ご家族に甲状腺の病気の方がいらっしゃる場合には発症しやすいとされています。

甲状腺の病気

甲状腺ホルモンが過剰な病気
  • バセドウ病
  • 無痛性甲状腺炎
  • 亜急性甲状腺炎
甲状腺ホルモンが不足する病気
  • 橋本病
甲状腺の良性腫瘍
  • 腺腫様甲状腺腫
  • プランマー病
  • 甲状腺のう胞
  • 濾胞腺腫
甲状腺の悪性腫瘍(癌)
  • 甲状腺乳頭癌
  • 甲状腺濾胞癌
  • 甲状腺髄様癌
  • 甲状腺未分化癌
  • 甲状腺悪性リンパ腫

玉田クリニックでは甲状腺の検査(血液検査・超音波検査)を院内で行っております

血液検査は採血から約30分で甲状腺ホルモンの測定が可能であり、その場で患者さんに御説明いたします。また、診療には経験豊富な内分泌専門医が診療にあたっており、甲状腺腫瘍の検査である超音波検査も実施しています。

主な甲状腺の病気

バセドウ病
バセドウ病は、本来自分の体守る「免疫」の異常によって起こる自己免疫疾患です。細菌などの外敵を攻撃するミサイルである「抗体」が、間違って甲状腺を刺激してしまうことで、甲状腺がホルモンを過剰に作ってしまいます。
バセドウ病の症状この為、甲状腺ホルモンが多く血中に放出されます。「動悸がする」、「イライラして落ち着かない」、「暑がり」、「汗をかきやすい」、「疲れやすい」、「手が震える」などのホルモン過剰症状が出現します。甲状腺が刺激を常に受け、ホルモンを多く作るため、甲状腺そのものの大きさも大きくなり首が張って見えます。また、3割の患者さんには、眼球が前方に出てきて目が大きく見える状態になる「眼球突出」という症状が認められます。重度になると、物が二重に見えてしまう「複視」や目の痛みを自覚する場合があります。この眼球突出はバセドウ病に特徴的とされています。
20歳台から50歳台の女性に多い病気ですが、小児でも高齢でも発症することがあり、約20%は男性患者さんです。ストレス、妊娠・出産、感染等が原因の一部と推測されていますが、明確な原因は分かっていません。タバコもこの病気を誘発し悪化させるとされており、バセドウ病の患者さんには必ず禁煙を勧めています。
診断には、採血検査にて甲状腺のホルモンが上昇している事、甲状腺を刺激する抗体が陽性であることが重要な根拠になります。す。また、超音波検査で血流が増加していることがバセドウ病の診断の助けになります。判断が難しい場合はシンチグラムといって、甲状腺でのホルモン産生を評価する検査を行います。採血検査、超音波検査は当院にて実施しております。シンチグラムが必要になることは稀ですが、放射線科の専門の先生のいる病院に紹介させて頂き、実施が可能です。
治療の第一選択は薬物療法(飲み薬)となります。
数ヶ月かけて徐々に改善していきます。薬物療法の副作用として皮疹(じんま疹)がよく起こりますが、軽度の場合はかゆみ止めのお薬で対応すると自然に改善することが多いです。稀ですが白血球減少や重症の肝機能障害等など重篤な副作用があります。このため薬物治療開始後3か月間は、「2週間毎の通院と採血が必要」と決められています。また、この期間に限らず薬物療法中で「急なのどのいたみ」または「38℃以上の発熱」が認められた場合は、ただちに医療機関を受診し採血をうけて白血球が減っていないかチェックを受ける必要があります。
約一年間薬物治療を行っても改善が乏しい場合、治療を急ぐ患者さん、副作用等で薬物療法が継続できない患者さんでは、手術療法や放射線治療となります。
稀ですが、バセドウ病が重症化して頻脈や高熱を伴った下痢、意識障害、心不全症状が起こることがあります。このような状態を「甲状腺クリーゼ」といい、極めて危険な状況であり、早急に入院して集中治療をうける必要があります。

玉田クリニックでは、バセドウ病の診断、薬物療法の経験の豊富な内分泌代謝科専門医が診療にあたっています。

診断に必要な血液検査、超音波検査、薬物療法や定期的な副作用のチェックを行うことが可能です。

慢性甲状腺炎(橋本病)
慢性甲状腺炎も本来自分の体守る「免疫」の異常によって起こる自己免疫疾患です。日本人の橋本策先生が1912年に発見され、海外においても橋本病(Hashimoto’s Thyroiditis)と呼ばれています。
橋本病の症状本来は外敵を攻撃して体を守るリンパ球という白血球が甲状腺を攻撃してしまうため、甲状腺がホルモンを作れなくなるのが原因とされています。「疲れやすい」、「便秘がち」、「寒がり」、「皮膚が乾燥する」、「脈が遅くなる(徐脈)」、「体重増加」、「月経不順」などのホルモン欠乏症状を認めます。甲状腺ホルモンがとても低下している場合や低下していた期間が長い場合は、「うつ症状」や「記憶力の低下」がおこることもあり、うつ病や認知症と誤って判断されてしまう場合もあります。特に高齢者の場合は、典型的な症状がほとんどなく、活動性の低下や認知症に似た症状だけの患者さんもいて注意が必要です。また、甲状腺が攻撃され炎症を起こすので、甲状腺が腫れることがありますが、進行が緩やかなので痛みなどはなくご自身で気づかないことが多いです。
30歳台から50歳台の女性に多い病気ですが、症状がゆっくり進行するため高齢で発見される場合もあります。また、約10%は男性患者さんです。リンパ球が甲状腺を攻撃する理由に関しては明確なことは判っていません。
診断には、採血検査にて甲状腺のホルモンが低下していること、甲状腺を刺激するホルモンが上昇していることで診断します。さらに甲状腺をリンパ球が攻撃した結果できる抗体が陽性であることが重要な診断の根拠になります。また、超音波検査で甲状腺の炎症を確認することが重要な診断の根拠になります。これらの採血検査、超音波検査は当院にて実施しております。
治療の薬物療法(飲み薬)となります。体は甲状腺ホルモンが低い状態に慣れているので、急に治療でホルモンを上昇させると体がびっくりします。このため少量から開始して、ゆっくりと内服する量を増やして、徐々に血液中の甲状腺ホルモンを改善させていきます。

玉田クリニックでは、橋本病の診断、薬物療法の経験の豊富な内分泌代謝科専門医が診療にあたっています。

診断に必要な採血、超音波検査、薬物療法を行うことが可能です。

甲状腺疾患 Q&A

検診で甲状腺がはれていると言われました。
検診や人間ドックの普及により、甲状腺の腫れを指摘される方が増えています。
特に女性に多く見られます。
①甲状腺全体が腫れている場合と、②しこりではれる場合がありますが、①の場合は橋本病やバセドウ病の可能性、②の場合は甲状腺腫瘍の可能性があります。超音波(エコー)検査と採血検査で診断は可能ですので、自覚症状が無くても専門医の受診が勧められます。

バセドウ病

甲状腺ホルモンが高くてバセドウ病と診断されました。間違いないでしょうか?
血液検査で甲状腺ホルモンが高いというだけでバセドウ病と診断されていまうケースがあるようです。甲状腺ホルモンが高くなる病気はバセドウ病だけではありません。バセドウ病では血液検査でTSHレセプター抗体を測定したり、超音波検査などを用いて総合的に診断します。
甲状腺ホルモンが高くて薬を処方されました。問題ありませんか?
甲状腺ホルモンが高い原因がバセドウ病なのか、それ以外の病気であるかを再確認してください。バセドウ病であれば抗甲状腺薬を医師の指示通りに内服してください。バセドウ病以外が原因の場合、ホルモンの異常は一時的であることも少なくありません。診断に疑問があるときは担当医に確認することが大切です。
バセドウ病の薬を飲んでいます。症状は良くなったので、薬を止めてもいいでしょうか?
薬を開始して動悸や手の震えなどの症状が改善しても、薬をやめてはいけません。甲状腺ホルモンが正常化しても、すぐには薬はやめられません。薬を急に中止すると元の病状に戻ってしまうので、医師は、徐々に薬を減量していきます。バセドウ病の治療は、早い方で1年くらい、長い方では数年以上の期間が必要です。
バセドウ病は命にかかわるような病気でしょうか?
バセドウ病は、治療法のなかった時代には死亡率が5割を超える非常に危険な病気でした。現在は、きちんと治療を受けることで、まず死に至るようなことはありません。ただし、バセドウ病とわからず治療を受けるのが遅れた方や、治療を途中でやめてしまった方では、非常に重症化して命にかかわるケースもあります。
バセドウ病は治る病気ですか?
適切な治療を受ければ、甲状腺ホルモンは正常化し、体調も改善します。ただし、甲状腺ホルモンを安定して正常に保つには、お薬の継続を要することが多く、まったく治療が必要なくなった方でも、再発する可能性があります。

橋本病

橋本病と診断されましたが、甲状腺ホルモンは正常なので治療の必要はないと言われました。放っておいていいのでしょうか?
甲状腺ホルモンに加えTSH(甲状腺刺激ホルモン)が正常であれば、特に症状はあらわれず、治療の必要もありません。ただし、将来的にホルモンが低下する可能性がありますので、定期的に甲状腺ホルモンの検査を受けてください。また、甲状腺の腫れが急に大きくなった場合はすみやかに受診して検査が必要です。
橋本病ですが、甲状腺ホルモンは正常だと言われました。日常生活ではどのような点に気を付ければいいでしょうか?
甲状腺ホルモンの低下を起こす可能性のある、ヨードを多く含んだ食品の摂りすぎには注意してください。ヨードは昆布に多く含まれますので、昆布だしの常用や昆布を毎日食べることは避けましょう。また、うがい薬にもヨードが多く含まれている場合がありますので、このようなうがい薬を頻回に使用することも注意が必要です。
橋本病でチラーヂンSという薬を飲んでいます。副作用はありませんか?
薬として合成された甲状腺ホルモンと自分の甲状腺が作る甲状腺ホルモンには違いがなく、適切な量であれば副作用はありません。ただし、極めて稀ですが、薬を固めるための物質にアレルギー反応する患者さんがいます。すでに長期内服して副作用がなければ大丈夫ですが、飲み始めの時期やジェネリック薬に切り替えたりした際に、かゆみ、発疹や気分不良があれば医師に相談して下さい。

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