睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群は気付きにくいが、深刻な病気

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)は、眠っている間に呼吸が止まる病気です。

医学的には、10秒以上の気流停止(気道の空気の流れが止まった状態)を無呼吸とし、無呼吸が一晩に30回以上、若しくは1時間あたり5回以上あれば、睡眠時無呼吸です。

主に、いびきや昼間の眠気、熟睡感がない、起床時の頭痛などの症状を認めますが、無呼吸は眠っている間におこりますので、病気に気付かず、検査・治療を受けていない潜在患者が多くいると考えられます。
この病気の問題点は、寝ている間に生じる無呼吸が、気付かないうちに様々なリスクを生じることです。

特に、睡眠時無呼吸症候群が招く問題として、交通事故と生活習慣病(高血圧、心臓病、脳卒中、糖尿病など)が挙げられます。

これらの理由により、特に重症型の睡眠時無呼吸症候群患者さんは、死亡率が高いとの報告があります。(重症の睡眠時無呼吸症候群の患者さんは、合併症などのために、9年後に約4割の方が亡くなっているというデータがあります。)

睡眠時無呼吸症候群が招く交通事故

居眠り運転が5倍に!?

運転中の眠気・居眠り運転の経験割合

睡眠時無呼吸症候群によって、夜間に十分な睡眠が得られないため、その結果生じる日中の眠気は、集中力や判断力の低下を招きます。

睡眠時無呼吸症候群による居眠りは、仕事中や運転中にも悪影響を与えかねません。
睡眠時無呼吸症候群の患者さんでは、「居眠り運転」が5倍になるという調査結果も示されています。
2003年の山陽新幹線運転士の居眠り運転は、睡眠時無呼吸症候群の眠気によって起こったことでした。また、スリーマイル島の原子力発電所の事故や、スペースシャトルチャレンジャーの事故は睡眠障害によって引き起こされたと報告されています。たかが眠気と侮れません。

睡眠時無呼吸症候群による眠気は、治療によりコントロールできます。心当たりのある方は早めに受診されることをお薦めいたします。

睡眠時無呼吸症候群が招く生活習慣病の合併

心臓病、高血圧、糖尿病など様々なリスクが増加

睡眠時無呼吸症候群には、様々な生活習慣病が合併します。
その具体的なメカニズムは、まだ解明されていないものもありますが、睡眠時無呼吸症候群による、夜間の「間欠的低酸素血症」と「睡眠の分断による交感神経の亢進」の2つが大きく関与していると考えられます。これらの要因により、睡眠時無呼吸症候群では良質な睡眠がとれず、身体全体に関わる生活習慣病(心臓病、高血圧、糖尿病)の発生や状態の悪化に影響を及ぼすようです。

各疾患における無呼吸症候群合併の割合

また、逆に生活習慣病の患者さんでは、睡眠時無呼吸症候群を合併されている割合が高いこともわかっています。

重症の睡眠時無呼吸症候群の患者さんは、これらの合併症などのために、9年間の調査で約4割の方が亡くなっているという報告があります。
そのため、睡眠時無呼吸症候群が疑われる患者さんは、適切な検査を行い、ご本人にあった治療を行うことが大切です。

睡眠時無呼吸症候群の原因

各疾患における無呼吸症候群合併の割合

肥満の方、アゴの小さい方(小顎症)は注意

睡眠時無呼吸は、のどの空気の通り道(上気道)のスペースが狭くなり、閉塞することにより起こります。

上気道の閉塞の原因は、首周りの脂肪の沈着、扁桃肥大のほか、気道へ舌が落ち込む、舌が大きい(巨舌症)、鼻が曲がっているなどがあります。肥満は首周りの脂肪の沈着を起こし、睡眠時無呼吸症候群の原因となりますが、日本人の場合は、下アゴが小さい(小顎症)ことで、気道がふさがれやすく、やせているのに睡眠時無呼吸症候群である方もいらっしゃいます。

睡眠時無呼吸症候群の症状

いびきだけじゃない!こんな症状はありませんか?

自覚症状の感じ方には個人差があるので、できれば寝ている間のことについてご家族やパートナーに聞いてみてください。

寝ている間の症状

いびきをかく

  • いびきが止まり、大きな呼吸とともに再びいびきをかく
  • 呼吸が止まる
  • 何度も目が覚める
  • 寝汗をかく

起きたときの症状

  • 口が乾いている
  • 頭痛がする
  • 熟睡感がない

日中の症状

  • 強い眠気がある
  • 身体がだるい
  • 集中力が続かない

上記の症状に当てはまる場合、診察のうえ、検査を受けられることをお勧めします。

検査の流れ

  • 1.クリニックを受診
    (問診・身体診察)
    クリニックを受診いただき、医師の問診、診察を受けていただき、睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合、簡易検査を行います。
  • 2.簡易検査を受ける
    (自宅で行う簡単な検査)
    ご自宅にて簡易検査を受けていただきます。簡易検査は指先などに計測器を付け行います。痛みは全くなく、簡単な検査になります。
  • 3.精密検査を受ける
    (病院に一晩入院する検査)
    簡易検査の結果から、睡眠時無呼吸症候群の疑いを認めた場合は、より精密な検査を受診いただき、無呼吸の原因やその重症度を判定いたします。一定以上の重症度を認めた場合、治療を行うことになります。

睡眠時無呼吸症候群の治療

睡眠時無呼吸症候群の治療には、症状を緩和させる「対症療法」と、無呼吸の原因を取り除く「根治療法」があり、いずれも個々の患者さんの状態に合わせて最適な治療方法が選択されます。どの治療方法が優れているということはなく、患者さんの重症度や原因に応じた治療方法が適用されます。

代表的な対症療法として「CPAP治療」・「マウスピース」、根治療法として「外科的手術」があります。また、肥満のある患者さんの場合は、減量を行うことで、無呼吸を改善することが期待できます。

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