糖尿病

玉田クリニックでは、糖尿病の専門医と糖尿病療養指導士に認定された医療スタッフが一体となり診療を行います。些細なことでも医療スタッフにご相談下さい。

※糖尿病療養指導士とは、糖尿病治療にもっとも大切な自己管理(療養)を患者に指導する医療スタッフです。高度でかつ幅広い専門知識をもち、患者の糖尿病セルフケアを支援します。 (2018年11月現在 日本糖尿病療養指導士1名、糖尿病療養指導士兵庫認定2名)

  • 糖尿病検査(血液検査)が可能(採血から30分程度で結果がわかります。HbA1cのみであれば約5分)
  • 糖尿病の合併症検査が可能(尿アルブミン検査、動脈硬化検査ができます)

糖尿病とは

糖尿病はインスリンの働きが悪く血糖値があがる病気

糖尿病とは、血液中のブドウ糖(血糖)の濃度が高くなる病気です。放置しておくと様々な重篤な病気(合併症)を引き起こす為、症状がなくても専門医のいる診療所や病院を受診して、適切で専門的な指導や治療を受けて頂くことが重要です。

血糖に関して重要な働きをするのが「インスリン」というホルモンです。インスリンはすい臓から分泌され血糖値をさげる働きをします。このインスリンの「分泌」や「効き」が悪くなることで、血糖値が下がらなくなります。

食生活の変化、車の普及に伴う運動不足などの変化により、年々糖尿病状態になっている患者さんが増えており、40歳以上の3人に1人が糖尿病または糖尿病予備群であると言われています。糖尿病は私たちにとって大変身近な病気と言えます。

糖尿病の症状

糖尿病はサイレント・キラー(静かな殺し屋)

初期の糖尿病は症状が出ないことから、サイレント・キラー(静かな殺し屋)と呼ばれています。糖尿病の症状を自覚できるのは、血糖値が極端に高い場合です。それほど血糖値が高くない場合では、糖尿病の自覚症状はほとんどありません。このため、多くの糖尿病患者さんで、糖尿病に気付かないもしくは重大な事とは思わずに血糖が高いまま放置してしまいます。

このため、血糖や尿糖のチェックを定期的な健康診断等で受けて頂く事が必要です。そして、異常を指摘されたら放置せずに専門医のいる診療所や病院を受診してください。

また、以下のチェック項目に該当するものがいくつかあれば、一度採血検査されることをおすすめします。

セルフチェック

  • このごろ目立って太ってきた
  • よく食べているのに痩せる
  • ひどく喉が渇く
  • 尿の回数が多く、量も多い
  • 夜中に目が覚めて、トイレに行く回数が増えた。
  • 急に甘いものがほしくなる
  • やけどやけがの痛みを感じない
  • 疲れやすい
  • 足がむくむ

糖尿病と合併症

糖尿病は合併症の予防が大切

糖尿病が悪い状態で放置されると、糖尿病患者さんに「合併症」が起こり得ます。糖尿病専門医をはじめ、我々医療者が防ぎたいのは、この「合併症」です。糖尿病の合併症には、神経障害・網膜症・腎臓病・動脈硬化症(脳梗塞・心筋梗塞等)などがあります。糖尿病の合併症で苦しむことがないように、出来るだけ早い時期に糖尿病を見つけ、患者さんの生活・病態に合った治療を受けていただくことが大切です。

先ほど申し上げたように、糖尿病は自覚症状が出づらい病気です。仕事が忙しくて病院に行けない方や定期的な健康診断を受けていない方が、失明、人工透析(腎不全)、心筋梗塞、脳梗塞などの重篤な合併症をきっかけに糖尿病と診断されることも稀ではありません。また糖尿病の患者さんでは癌の発生率が高いことも報告されています。このようなことから糖尿病を放置した人は健康な人より約10年、寿命が短いことがわかっています。早期に糖尿病を見つけ適切に血糖をコントロールし、合併症の進行を遅らせれば、今までと変わりなく健康に生活することができます。

三大合併症(糖尿病神経障害・糖尿病網膜症・糖尿病腎症)

糖尿病神経障害

症状として、「足先のしびれ」「足先の痛み」「素足なのに足底が草履をはいた感じがする」「足のけがややけどの痛みに気づかない」などがあります。足先、手先から症状が出ることが多く、左右の両方に症状がある場合が多いです。さらに進行すると、慢性の便秘、慢性の下痢、立ちくらみ、発汗異常、ED(勃起不全)など、さまざまな自律神経障害の症状が現れます。糖尿病の前段階(境界型)から神経障害は進んでいると言われており、境界型の患者さんでも症状を自覚される方もいます。

糖尿病網膜症

目に起る糖尿病の合併症です。症状として、飛蚊症(ゴミのような点状のものが浮遊するように見える)、視野狭窄、視力低下があります。進行すると大出血や網膜剥離を引き起こします。中には失明に至る糖尿病患者さんもいらっしゃいます。日本の眼科の技術は素晴らしく、日本の医療制度では糖尿病網膜症の治療は比較的早期から行えます。失明を防ぐには早期発見、早期治療が重要で、糖尿病患者さんには定期的に眼科受診(眼底検査)をお勧めしています。

糖尿病腎症

現在、日本における人工透析になる原因の1位がこの糖尿病腎症です。症状は進行するまでありません。進行すると血液から老廃物や水分を除去出来なくなり腎不全になります。腎不全になると、高血圧が進行しやすく、むくみが出現します。さらに進行すると、だんだんと尿が作れなくなり、人工透析(機械で血液の不要な成分をろ過する治療)が必要になります。週に2~3日、病院で透析することになり日常生活に大きな影響が及びます。糖尿病腎症の早期発見のためにはタンパク尿の中でも微量アルブミンを測定します。糖尿病だけでなく、血圧、コレステロール等のコントロールを良好にすることで糖尿病性腎症の進行を予防することが可能です。また、中等度までの糖尿病腎症は糖尿病、血圧、コレステロール等のコントロールを良好にすることで改善することもあります。

動脈硬化症(脳卒中・心筋梗塞)

血糖値が高い状態が続くと、血管にストレスがかかり動脈硬化を起こします。動脈硬化が進行すると血管が狭くなり、ついには閉塞することがあります。これが脳で起ると脳梗塞となります。糖尿病の患者さんは糖尿病でない方と比較して4倍程度、脳梗塞の発症率が高いと言われています。心臓で血管が狭くなると狭心症、閉塞すると心筋梗塞となります。これらも糖尿病の患者さんは糖尿病でない方と比較して3倍程度発症率が高いと言われています。動脈硬化の因子として、糖尿病以外にも脂質異常症、高血圧、高尿酸血症等が影響します。当院では、これらの疾患についても専門的な診療を行います。さらに、動脈硬化の早期発見を目的検査として血管年齢の測定と頸動脈超音波検査を行っています。

糖尿病の治療について

糖尿病の治療は早期から行い継続することが大切

残念ながら、現代の医学では糖尿病を「治す」ことはできません。しかし、糖尿病と「上手に付き合う」ことで合併症の発症・進展を抑制することができます。当院では、患者さんが糖尿病と「上手に付き合う」をサポートすることを大切にしています。特に長寿になった現代では「付き合う」期間が長くなります。悪い状態を放置はできませんが、仕事や趣味を大切にしながら出来るだけ「上手に付き合う」方法を検討します。

1型糖尿病は、どうしてもインスリンが必要になります。決まった量を自己注射する方法もありますが、血糖、食事(炭水化物量)に応じてインスリンの量を調整する方法もあります。1型糖尿病患者さんのライフスタイルに合わせた投与量、方法を提供します。

2型糖尿病は、食事療法、運動療法が基本です。しかし、現代社会では完璧な食事・十分な運動をすることは難しいため、薬物療法(飲み薬やインスリン)が必要になる場合が多いのが実情です。

糖尿病の飲み薬やインスリンには多くの種類があり、専門的な知識と経験から患者さんに合った治療を提案します。当院ではインスリンを通院で開始することも可能です。インスリンの注射は意外と痛くありません。初期の患者でも、もし事情が許せば1日1回等のインスリンをお勧めします。インスリンを早めに使用することで、良い糖尿病の状態を安定して維持することが可能になります。しかし、実際は飲み薬を選択する糖尿病患者さんが大半です。

長く付き合う病気ですから、無理をせずに出来る治療法が一番です。
そして何より「継続して通院」して頂く事が大切です。

インスリン離脱外来・インスリン導入外来

「インスリン注射」と聞くと、どのようなイメージを持たれるでしょうか。

  • 怖い!? 痛そう!? 面倒くさそう!?
  • 重度の糖尿病治療の最終手段!? 一度始めたらやめられない!?

おそらく多くの方にとって、「インスリン注射」に対する良いイメージは、ほとんど無いかと思います。

確かに、インスリン治療は、飲み薬での治療に比べて、患者さんの心理的・経済的負担は大きくなるでしょう。「インスリン注射」をやめて、飲み薬での治療を希望される患者さんの気持ちは、非常によくわかります。
一方で、インスリン治療には大きなメリットがあり、患者さんによっては欠かせない治療法です。また、現在のインスリン治療は、皆さんのイメージと少し変わってきているかもしれません。

玉田クリニックでは、インスリン治療を継続されている患者さんを対象に、「インスリン注射」から離脱、もしくは注射回数を減らすことを試みる、「インスリン離脱外来」を行っています。

また、飲み薬での治療では血糖コントロールが不十分な患者さん、1型糖尿病や特殊な糖尿病の患者さんに対するインスリン治療を、通院で導入(開始)する「インスリン導入外来」を行っております。

インスリン治療の必要性について

インスリンは、すい臓に存在するβ(ベータ)細胞で作られ、血糖値を感知し、必要に応じて分泌されます。ヒトの身体において「血糖値を下げるホルモンはインスリンだけ」といっても過言ではなく、血糖値の調整においてインスリンは主役です。

そのため、インスリン治療はすい臓でインスリンを作る働きが低下した患者さんにとって、まさに「身体の外からやってきた援軍」といえるでしょう。特に、インスリンの分泌がほとんどない1型糖尿病の患者さんや、長期間の糖尿病治療などによりインスリンの分泌が弱くなっている糖尿病の患者さんにとって、インスリン注射は必須の治療法になります。

また、近年の研究結果から、糖尿病患者さんに対するインスリン治療はβ細胞の負担を軽減することで、β細胞の働きを保護してくれることも明らかになってきています。そのため、血糖値の管理が十分でない患者さんにおいては、比較的早期からインスリン治療を勧められることが増えており、非常に有効な治療法であると言えるでしょう。

一方で、新しいお薬の登場によって、糖尿病の「飲み薬での治療」には多くの選択肢があります。その薬効は、すい臓からインスリンを分泌しやすくするもの、インスリンの効き目を良くするもの、食事からの糖分の吸収を遅らせるもの、尿へ余分な糖分を出させるものなど、多種多様です。ただし、これらのお薬を安心して使うためには、すい臓からある程度インスリンが分泌されていることが前提になります。

つまり、飲み薬で治療を行うか、インスリン治療を行うかを決めるにあたり、患者さんのすい臓(β細胞)で作られているインスリンの量を判定することは、非常に重要な要素であると言えます。

玉田クリニックでは、問診(現在の治療内容、糖尿病歴や家族歴、合併症の状態など)、血液検査(負荷試験を含む)、尿検査によって患者さんの糖尿病のタイプ、インスリン分泌量を判断いたします。

インスリン離脱外来の流れ

前述しましたように、新しいお薬の登場によって、糖尿病の「飲み薬での治療」は多くの選択が可能となりました。そのため、以前であればインスリン注射が必要であった患者さんが、新しいお薬によって、インスリンの注射量が減ったり、注射回数が減ったり、さらにはインスリン注射から離脱(止める)ことが可能になる患者さんも少なくありません。インスリン離脱外来では、そのような飲み薬を活用することで現在行っておられるインスリン注射からの離脱、もしくは注射回数を減らすことを試みます。

ただし、すべての方がインスリン注射をやめられるわけではありません。インスリン治療が必要な状態(1型糖尿病やそれに近い状態)であるにも関わらず、インスリン治療をやめてしまうことは命の危険を伴うため、このような患者さんではインスリン注射の離脱は出来ません。玉田クリニックでは、しっかりと精査したうえで、安全なインスリン治療の減量や離脱を検討します。

  • 1. インスリン分泌の評価(問診・血液検査・尿検査)
    以下の方法を用いて、糖尿病のタイプや、インスリンの分泌能を評価します。
    ・問診(現在の治療内容、糖尿病歴や家族歴、合併症の状態など)
    ・血液検査(HbA1c、血液中のインスリン濃度、腎機能の評価、負荷試験)
    ・尿検査(尿たんぱくの量、尿中のインスリン濃度)
  • 2. 血糖治療の厳格化
    一定以上に血糖値が高いと、「糖毒性」という状態になります。「糖毒性」の状態は、その名のとおり、高血糖による毒性を意味します。「糖毒性」の状態になると、すい臓のβ細胞からのインスリンの分泌が悪くなり、またインスリンの効き目も悪くしてしまう、非常に困った状態です。このような状態ではインスリン治療から離脱することは困難です。
    逆に、一旦「糖毒性」から抜け出すと、前は効きにくかった飲み薬も、再び効果が出るようになることがあります。
    そのため、十分に血糖値を改善させることで「糖毒性」の状態を抜け出してから、インスリン治療からの離脱を試みます。
  • 3. 飲み薬を代替薬としてインスリンの量を減らす
  • 4. インスリン注射の回数を減らす
  • 5. インスリン注射からの離脱

3~5.飲み薬を代替薬としたインスリン注射の減量と離脱

1.で明らかにした、患者さんひとりひとりの病態にあった飲み薬を選択し、インスリン注射の減量・離脱を試みます。この際、食事療法や運動療法にしっかりと取り組むことが出来ている方ほど、インスリンから離脱しやすいと言えます。

インスリン注射を減量・離脱(中止)しやすい方の特徴

  • 食事療法、運動療法がしっかり行えている方
  • 血糖のコントロールが良い方
  • インスリン分泌が保たれている方
  • インスリンの使用量が少ない方
  • 糖尿病になってからの期間が短い方
  • 若年の方
  • 肥満が解消できる方

インスリン導入外来の流れ

  • 1. インスリン分泌の評価(問診・血液検査・尿検査)
    以下の方法を用いて、糖尿病のタイプや、インスリンの分泌能を評価します。
    ・問診(現在の治療内容、糖尿病歴や家族歴、合併症の状態など)
    ・血液検査(HbA1c、血液中のインスリン濃度、腎機能の評価、負荷試験)
    ・尿検査(尿たんぱくの量、尿中のインスリン濃度)

    まずは、本当にインスリン治療が必要な状態であるかを確認します。食事療法や運動療法が十分に行えていない場合や、飲み薬をきちんと飲むことが出来ていない場合などは、すぐにインスリン治療を始めるのではなく、まずはこれらの治療にしっかりと取り組む必要があります。それでも血糖値が良くならない場合や、検査の結果から、すい臓でのインスリンを作る働きが低下した患者さんには、その方の病状や生活状態に合わせてインスリン治療を開始します。
  • 2. インスリン治療の開始、自己血糖測定の開始
    検査の結果から、インスリン治療が必要と判断された場合、通院にてインスリン治療を開始します。
    治療に用いるインスリン製剤は多種多様であり、患者さんの病状や生活状態に合わせてインスリン注射の種類を決定しますが、一部の患者さんを除き、多くの場合は1日1回の注射から開始することがほとんどです。
    インスリン治療を始めることで、血糖値の低下が期待されますが、反面、血糖値が下がりすぎる(低血糖)リスクもあります。そのため、インスリン治療を開始された患者さんは、ご自宅での血糖値をご自身で測定する、「自己血糖測定」を開始いただき、適切に血糖値をコントロール出来るようにします。
  • 3. インスリン回数の調整、インスリン量の調整
    ご自身で測定いただいた「自己血糖測定」の値をもとに、インスリンの回数やインスリンの量を調整します。 十分に血糖値が改善し、「糖毒性」が解消されると、インスリンの量や回数を減らしたり、インスリン注射からの離脱(中止)が可能になる場合も少なくありません。

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